太股の脂肪吸引失敗で、くっきりと残ったカニューレ痕
「他院で太股の脂肪吸引を受けたら、斜めに深い溝ができてしまって……」と体験談を語ったのは、こちらの症例写真のゲストです。診察すると、カニューレを通した痕が葉脈のようにくっきりと残ってしまい、たるみが段差になっていました。
また、太股の付け根のYの部分は一部の脂肪だけが取られ過ぎ、陥没してしまっています。深刻な状態で、ゲストは「値段が安かったから他院に決めてしまったのですが、水着もスカートも着られなくなってしまいました」と、とても後悔していました。
太股の脂肪吸引失敗の原因は「ドクターの経験不足」
カニューレ痕やY字部分の脂肪の取り過ぎは、ドクターの立ち位置に関係しています。一言で言うと「ドクターが位置を工夫せず、ただやりやすい方向にカニューレを何度も動かしてしまったから」。経験不足の典型と言えるでしょう。
「太股」の脂肪吸引は失敗が一番多い
太股は、皮膚が柔らかいことが特徴の部位。脂肪を取ると、元々たるみやすいという性質があります。適切な吸引量を判断するためには、脂肪だけでなく皮膚の状態も見極める必要があるのですが、経験が浅い美容外科医には難しい判断となります。
また、太股の脂肪を取り過ぎたことで、お尻の形が崩れたり凸凹になったりしてしまうことも。解剖学の知識があり、日常的に脂肪吸引を手掛けている経験豊かなドクターでないと、今回のような失敗を起こしやすいのです。
太股のカニューレ痕には、他にもこんな例があります。
太股脂肪吸引のカニューレ痕の失敗症例1
こちらの方は、肪の取りムラによる凸凹と、一部は取り過ぎによって癒着が生じていました。また、内ももにはカニューレ痕が、斜めに何本も残っている状態でした。
太股脂肪吸引のカニューレ痕の失敗症例2
こちらの太股も、同様に斜め方向にカニューレ痕ができてしまっているのがお分かりいただけると思います。しかも、この失敗症例は、前からも後ろからも不自然さが分かってしまう状態でした。
太股の脂肪吸引の修正は複数回に分けて吸引&注入を
冒頭でご紹介した脂肪吸引失敗の修正に対しては、以下のような方法を取りました。
1、まずはきつい段差ができているカニューレ痕は慎重に避けて、その周りを細かく吸引する。
2、溝の周りにコンデンスリッチファット(不純物や不活細胞を取り除いた良質な脂肪)を細かく注入して、均一にならす。
1度目の修正手術を終えてから半年後がこちらの写真です。
皮膚の浅い部分にも吸引・注入をしなければならなかった難しいケースでしたので赤みは多少残っていますが、少しずつ消えていって目立たなくなるでしょう。何より、半年後にお会いしたゲストが「またスカートが履けて、足が出せるようになりました」と、笑顔で言ってくださったことが何よりの収穫でした。
太股の脂肪吸引で失敗しやすい決め手が「値段重視」
脂肪吸引の修正手術の場合、脂肪を取った部分が癒着を起こしている場合も多く、難しい症例では完全な修復ができないこともあります。癒着の剥離や脂肪注入を駆使して、最善を尽くすしかありません。脂肪吸引は1度目の手術で希望通りに仕上げることが、本当に大事なのです。症例ゲストの体験談を教訓に、「安かったから」で決めずにドクターの技術を見極めたいですね。
- 知恵まとめ
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- 内ももの斜めに走るカニューレ痕は、脂肪吸引のよくある失敗。
- ドクターがやりやすい方向に何度も吸引したのが原因。
- 失敗を防ぐには、最初の脂肪吸引で技術力のあるドクターを選ぶこと。