お尻の脂肪吸引の失敗は決して少なくない
今回ご紹介するのは、他院でお尻から太ももにかけて脂肪吸引をしたら、大失敗してしまったというケースです。ダランとたれたお尻は、かなり老けた印象。太ももとの境目はシワシワになり、太ももからお尻にかけての皮膚の凸凹と相まった残念な姿に、とてもお悩みの方でした。
これはかなりひどいケースですが、お尻から太ももにかけての脂肪吸引は、修正手術を依頼される方が最も多い部位です。程度の差はあれ、同じような悩みを持つ方は少なくありません。
お尻の脂肪吸引の失敗は「太ももとの境目のデザイン」がカギ
原因を紐解いてみましょう。お尻は体の中でも脂肪が多く、動けば揺れるほど柔らかい部位です。それなのに技術が未熟なドクターが吸引をすると、丸みのあるお尻を支えているお尻と太ももの境目の部分「ポジディブゾーン」の脂肪を取り過ぎてしまうのです。これが原因でお尻はダランと垂れ、シワやお尻が二段になってしまうバナナロールが生じることも。解剖学の知識や脂肪吸引前のデザイン力が不足している証拠と言えるでしょう。
お尻の脂肪吸引は「取りムラ」によって失敗することも
この方の場合、「取りムラ」もひどい状態でした。脂肪を根こそぎ吸引してしまったところは皮膚が筋肉に癒着し、太ももにはカニューレの痕が斜めに走っているのが分かるほど。一度吸引した箇所はこのように「皮膚と筋肉の癒着」や「脂肪の線維化」で硬くなっている場合が多く、修正手術は通常の脂肪吸引よりずっと難易度が上がります。「お尻を修正してほしい」と依頼をされても、「気にすることはありません。これは失敗ではありません」と言い張って対応しないドクターが存在するのは、技術に自信がない、あるいは対応できる機器や技術を持っていない可能性があります。
お尻の脂肪吸引の失敗修正はベイザー&脂肪注入
脂肪吸引の失敗を修正するために、THE CLINICではベイザーという機器を用います。これはただ脂肪を吸引するのではなく、ベイザー波で脂肪を柔らかく、乳化することができる最新装置。癒着をはがしたり均一にならすことができ、またある程度なら皮膚を引き締められるので、細かいデザイン修正に適しています。
今回もこの方法を用いて、凹みがひどい場所にはコンデンスリッチファット(不純物や不活細胞を除去した濃縮脂肪)を注入して整えました。
脂肪吸引の失敗で支えをなくしたお尻は脂肪注入での改善も
太ももポジティブゾーンの脂肪の取り過ぎによるお尻のたるみやシワは、もう一度付け根部分に脂肪を注入し直すと改善することがあります。腰回りや太ももから吸引した脂肪を活用してコンデンスリッチファットを精製するので、成功すればボディライン全体にメリハリが出てグッと若返ります。下の例は、その典型例と言えるでしょう。
この方の場合は、シワシワになっていたお尻の下に支えとなる脂肪を注入し直し、太ももからお尻にかけての皮膚をサーミタイト(皮膚のタイトニングに優れた美容機器)で引き締めました。
「お尻をキュッと小さく」と願う女性は多いのですが、脂肪吸引は特に医師の経験値がものを言う手術です。症例数や過去事例、ベイザーの有無、万が一失敗してしまったときの対応などをカウンセリングでしっかりと確認して、信頼できるドクターを選びましょう。
- 知恵まとめ
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- お尻と太ももの境目部分の脂肪を取り過ぎると、お尻が垂れて失敗することが多い
- 一度脂肪を取った部分は、癒着や線維化などで失敗修正が困難
- お尻を支える部分に脂肪を再注入することで、印象が若返ることも