お腹の脂肪吸引でよくある失敗「段差」「凸凹」
ご本人にはショックですが、お腹の脂肪吸引手術で段差や凸凹ができてしまうケースは珍しくありません。これらの失敗には、どのような原因があるのでしょう?
お腹の脂肪吸引の失敗原因1:吸引しやすい部分ばかりを吸引
「肋骨の上は脂肪を吸引すると危険」と、下腹部ばかり吸引する美容外科医は多いようです。実際、別のクリニックでは経験の浅い医師が誤って肋骨の下にカニューレ(吸引管)を通してしまい、横隔膜を貫通してしまった例もあったそうです。そのため「お腹全体の脂肪吸引」というメニューでも、胸の下は取り残す医師が多く、脂肪を取り除いた下腹部との間に不自然な段差ができ、お腹の力を抜くと横筋ができてしまうのです。
しかし、しっかりとした知識と、安全なアプローチの技術さえあれば、こんなことは起こりません。アンダーバストの下からきっちりと脂肪を取ることで、ラインがすっきりします。下は、THE CLINICで行ったお腹の脂肪吸引手術の症例画像です。
お腹の脂肪吸引手術の失敗修正については「お腹の脂肪吸引の失敗……修正成功のカギは「胸下」にあり」の実例もぜひ参考になさってください。
お腹の脂肪吸引の失敗原因2:適した機器を使わない
今回、脂肪吸引手術を失敗してしまったクリニックでは、「ベイザー脂肪吸引で手術する必要はない」とゲストに説明していたそうです。確かに1度目の手術では、美容外科医の技術さえあれば、旧式の機器でもきれいに仕上がる場合があります。ただ、当クリニックではベイザー脂肪吸引を推奨しています。
その理由は、最初に超音波で脂肪を柔らかくしてから吸引するので凸凹ができにくく、皮膚の引き締め効果も高いから。周辺組織へのダメージを極力抑えながら施術するため、刃のついたカニューレで脂肪を削り取る機器よりも格段にダウンタイムが短くて済むのです。
もちろん、機器さえ良ければ成功するわけではありません。医師の技術と、適した機器の両方が成功の条件です。
お腹の脂肪吸引の修正手術は1度目より高い技術が必要
脂肪吸引手術を一度した部位は、皮下組織が線維化して硬くなっている場合が多いもの。2度目の吸引はさらに卓越した技術が必要です。脂肪を吸引するだけでなく、柔らかくして平らにならすことができるベイザー脂肪吸引は、修正手術には欠かせない機器と私たちは考えています。今回は、取り残されていた胸下の脂肪をベイザー脂肪吸引でしっかり吸引。段差部分は丁寧に均しました。この方法で、側腹部に残された2本の深いカニューレ(吸引管)痕も、きれいに修正できました。こちらが比較画像です。
お腹の脂肪吸引手術は「最初」が肝心!医師選びで失敗を回避
今回の修正手術では、後日アンケートで「最初からこちらにお願いすればよかったです。(中略)他のクリニックでの取り残しや凸凹がきれいに修正されて、とても満足です」という感想をいただきました。
前述したように、お腹の修正手術は簡単な手術ではありません。他のクリニックで断る例が多いのも、技術的に難しいからです。たとえ当クリニックで修正しても、失敗の痕跡を完全に「なかったこと」にできないケースも多々あります。それでも、少しでも苦しみを軽くできればと、他のクリニックの失敗修正を続けています。
ひどい失敗例を何例も見てきて言えるのは、とにかく「最初の手術での医師選びが肝心」ということです。「脂肪吸引が得意」「〇リットル取れる」といった言葉は確かに魅力的に響きますが、カウンセリングでは吸引量以外のどんな点を重視している医師なのか慎重に見極めてください。「どのような機器を使うか」「症例数・トレーニング経験」なども聞いておいて損はありません。
- 知恵まとめ
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- お腹の脂肪吸引は胸下の脂肪を取り残し、下腹部との段差ができる失敗例は多い
- 凸凹を均一にならすことができるベイザー脂肪吸引は修正手術にも最適
- 脂肪吸引手術の失敗を防ぐには、最初の手術で冷静に医師を選ぶ視点が必要